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戦争、殺人、自殺、自然災害、交通事故。
かつて世界はたくさんの”死”で溢れかえっていて、人はそれらに触れつつ、
やがては自分も死にゆく存在の一つだと認識しながら生きていた。
だけど、今ではもう死を身近に感じることの方が難しい。
始まりは、”終末的破局”という名の混沌。
北欧ノルウェー沖の海底で発見された次世代エネルギー資源をめぐる国家間の闘争は、日を追うごとにその影響範囲を野放図に拡大。
当時すでに斜陽の兆しを示し始めていた米国式国際秩序の崩壊を決定づける。
結果、幾千もの死体の山。
膨大な数の命が広範囲に、無差別に、奪われた。
暴動、テロ、虐殺、核攻撃、戦争。
それらに付随する形で各地に広がっていった放射能汚染、疫病。
まるで世界そのものが、発狂しようと決意したかのようだった。
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