#1―ささやかな記述/description―

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<ありふれたセカイの崩壊劇> <ぼんやりとした幸福の終焉> それらを語り続けた言葉の持ち主はすでにこの世を去った。 あれから、40年―――。 生き残った人類は襲い来る「死」から逃れようと科学技術をかつてないほど発展させ、ついに「死」の必然性を覆すまでにいたる。 ITを活用したバイオ分野の開拓、いや、融合というべきか。 各種体細胞クローン技術(VSCT法)の応用。 侵襲型バイオナノマシンによる高度情報ネットワークシステムの構築。 この二つの技術革新により『魂』と『肉体』は分離され、人々は限りない時を安全かつ健康的に過ごすことが可能になった。
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