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大学卒業から30余年。
礼子と私はずっと変わらず親交を暖めて来た。
礼子とは、大学に入学して初めてのサークル見学で隣の椅子にたまたま座っただけの縁だった。
結局、後日、私がそのサークルに入部しようと決めて行ってみると彼女も、また、ちょこんとこの前の席に座っていたのだ。
お互いに「あ〜」とか言ってそれ以来の付き合いだ。
不思議に何でも話せたし、彼女の話も我が事のように聞くことができた。
お金が大変だとか、複雑な家庭環境の話とか色々打ち明けてくれた。
それから私が25歳で結婚し、彼女も30歳で結婚した。
それぞれ子どもは男女一人づつ。
時々、会っては遊んでいたので子ども同士も仲良しだった。
幾多の荒波を乗り越えて今も静かに笑っている。
そんな彼女のことを私は尊敬さえしている。
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