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3月1日
テレビを付けてみる。街から白いものが無くなっていく。
なんということだ! あいつは俺だけでなく街にも、他の人にも影響を与えている。人はみんな俺と同じように、他人に近づかれ、話しかけられることを恐れている。おそらく、誰かに話しかけたらその人を殺すと脅されているのだろう。 あいつは1人でも充分に力を持っている。あいつの言葉! なぜか逆らえない! なんとも言いがたい気持ちだ。魔法や特別な術を使っているわけではないのに、あいつの言葉には恐ろしい迫力がある。
映画館も、学校も、どこも閉まっていて、みなに許されている1時間の買い物時間以外は街がゴーストタウンと化す! 恐ろしい! あいつは人だけでなく街全体にも影響を与えられるのだ!
恐怖を紛らわすために、今日から1話ずつ物語を書いていくつもりだ。
無理かもしれないが努力する。
ある男がいた。その男は金持ちになりたいと思っていた。
ある日、上等なスーツにシルクハットをかぶった男が目の前に現れ、俺の言う通りにしたら金持ちにしてやろう、と言った。シルクハットの男は現金輸送車を襲うようにと男に言った。 男はそれで大金が手に入るものと思い、襲おうとした。だが当然計画は失敗し、男は輸送車の上で事情を説明する暇も与えられず、警官に撃ち殺された。
あのシルクハットの男は悪魔だった。欲深い男の魂が欲しかったのだ。
金のために前後見境なくなっていたせいで、男は悪魔に簡単に騙された。
悪魔は男の遺体だけが残された現場に戻ってきて、男の魂を持って悠々と去っていった。
ダメだ! 殺伐とした不吉な物語しか思い付かない! 悪魔との取り引き! しかも駄作だ!
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