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マイクを持った男が現れた。
「これが今の君の姿だよ」
男は鏡を僕に向けた。僕は驚いた。
僕は脳と目だけになっていた。脳に沢山のコードのような物が繋がれていた。戦慄に走る僕の心を無視するかのように男の声が聞こえた。
「さあゲームを始めたまえ。コントローラを操作するのを想像するだけでいいから」
僕の目の前に画面が浮かぶように映った。
あのゲームだ。僕は反射的に操作した、というより操作するのを思い浮かべた。
あっという間に相手を瞬殺した。
(面白い!)
僕は戦慄を忘れて楽しんだ。
僕はもっと有名になるだろうか。僕は神になれるだろうか。
僕の心は期待と希望に溢れて歓喜の声をあげたくなった。
了
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