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もちろん僕はこの状況が面白くなかった。
毎晩必死に戦ってようやく有名になってきたのに、こいつがいる限り僕は『ちょっとうまいセイン君』にしか思われない。
そう、こいつを倒さない限り僕の優越感は満たされないのだ。
僕の事をゲームに必死になっているキモいオタクだと思う奴がいても構わない。
ただ勝ちたい、勝ちたいのだ!
ある晩、またリンダが現れた。
この日の僕はぼんやりして調子はいまいちだった。でもヤツが現れたからには喧嘩上等気分で挑んだ。
リンダはいつものように僕の攻撃をかわしたが、僕は裏をかこうとリンダに銃口を向けて撃ち続けた。
廃墟を駆け抜けてトラックの陰から撃った。
リンダは廃墟のビルに隠れて撃ってきた。
コントローラを持つ僕の手が震えた。
リンダが撃った。僕はかわした。
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