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どうか許して。 これからは、来年の命日も、その次の命日も、ずっと会いに来ていいよね? 涙を隠し、服を着る。 「すぐお風呂に入りなさい」 「いい」 「でも風邪引いちゃうわ。あのね、お料理もいっぱい用意してあるの。だから」 「人を待たせてる」 「何だって!?」 父が聞き返した。 「すぐに入ってもらいなさい。何で言わないんだ、ちゃんとお礼を」 「余計なお世話。そのくらい自分でする」 「お姉ちゃん」 「じゃあね、英美里(えみり)」 ボタンを止め改めて立ち上がると、居間にたくさんの料理が並んでいるのが見えた。 私の好物ばかりだった。 「お姉ちゃん待って」 仏間を出て玄関に向かう。 靴を履き、引き戸に手をかけた。 「お姉ちゃん。ごめんなさい!」 私は振り返った。
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