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女神からのお言葉
アレフさんより俺の習得した最適化のスキルの種が完成したとの報告と、それをザリアンさん達が使用し、更には見習い期間を終えたミミにも使用してもらう事を聞かされた俺は、入院患者の見守りを今日は治癒士、そして警護の担当者に任せて元は診療所だった俺の家に戻った。
俺も交代で夜勤をすることもあるが、今日は自分の家で眠れるし、ゆっくり寝て明日に備えるか。
そう考えて寝る準備をしようとしたら突如スマホが鳴った。このタイミングでまさかのスキル獲得か⁉
そう考えスマホを見るがなんとスマホから声が聞こえてきた。
『こんにちは、というよりこうやってお話しするのははじめてですね、ユーイチ・ミヤシタ』
スマホから聞こえた声は少しエコーがかかっているようにも感じるが女性の声に聞こえ、俺は尋ね返す。
「はじめまして、っていうかあなたは?もしかしていつもスキル獲得のお知らせをしてくれたのもあなたなのでは?」
『いきなり多く聞きますね、まあいいでしょう、私はこの世界において健康を司る神ヒューと申します』
「ヒュー様?あのこの国の聖女はマカマカ様を信仰していると聞いたのですが」
『マカマカは確かに治癒の神ではありますが、私は健康いわば人間の身体、そして心を守る為の神なのです』
身体と心を守る健康を司る神?まさか……、俺はこの神に恐れ多くも自分の疑問をぶつける事にした。
「恐縮ですが、まさかあなたが俺をこの世界に転移させたのですか?」
『フフフ、直線的な質問をなさいますね、はい、確かに私があなたをこの世界に転移するきっかけを作り、あなたをこの世界に誘いました』
「きっかけ?」
『申し訳ないとは思ったのですが、まずあなたに暗示をかけたのです、お酒を買い、飲むように』
あの時の俺の行動は暗示だったのか、いや弁当のお供に酒を買うのはいつもの事だけど、確かに公園で食べて飲むなんて普段は考えもしなかったが……。
『そしてマンホール蓋が空いていたのも偶然ではなく、あなたの居た世界とこの世界を繋ぐために一時的に私の力で開いたのです』
「そうだったんですか、でもどうして俺だったんですか?理学療法士なら他にもたくさんいたはず?」
『それはあなたがスキルの種なしで『最適化』を習得することができる唯一の人間だったからです』
スキルの種なしで最適化を習得できたから⁉一体どうして?
『かつてこの世界に転移した人間は治癒魔法を習得し、その治癒魔法の発展に貢献しました。ですが私は今回その更にもう1つの段階、治療後の後遺症を取り除くきっかけをこの世界にもたらしたかったのです』
それが俺が呼ばれた理由、だが待てよスキルの種が試作品とはいえ完成したという事は……。
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