恋愛裁判

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「藤原。改めて最初から話を聞かせてもらうから、一緒に生徒指導室に来なさい」 「⋯⋯はい」  田坂先生に連れられて、杏果は教室を出て行った。たっぷりと絞られるだろうな。  杏果もいつか、しがらみから抜け出せる本当の強さを持てるといいけど――。 「っていうか、健太郎! 私にだけ何にも知らせないで、『恋愛裁判』なんてよく分かんないモノに巻き込むようなヤツとの信頼関係など、無いに等しいわ!」 「有紀だって、恋人いない年数(イコール)年齢のくせに、恋愛なんて語るんじゃねぇよ」 「無駄にヒヤヒヤさせといて何言ってんの!」 「それを言うなら、ドキドキだろう」  俺たちのやり取りを涼しい顔で眺めていた生徒会長の竹内が、ふふっ、っと微笑む。 「噂だけじゃなくて、澤田さんの彼氏に立候補しようと思ったけど、やっぱり、幼なじみの健太郎には負けるよ。仲良いんだね」 「「全っ然、仲良くないし!!」」
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