雨の降らないところで

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雨の降らないところで

 この国では雨が降らない。干魃(かんばつ)が起きているのだ。もうここ最近は雨など降っておらず、かれこれ二年経つだろう。  ぼくはこの国の王だ。ぼくはこの国を守りたいが、どうする事も出来ない。自然の摂理に従って生きるしかないのだ。降るまで待つ。それしか出来なかった。しかしそれでは人々が苦しんでしまう。もう水も他の国を頼らなければ無いし、その水を買うためのお金も無くなってきている。  ぼくは自ら、もっと安く水を買える国を探しに旅に出る事にした。家臣はぼくの旅出を悲しんでいた。この国を治める人がいなくなってしまうのだから仕方が無い。そう言うぼくも、この国を留守にして大丈夫か、と不安になっている。しかし、全ては国の、人々のため。ぼくは長い旅に出た。
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