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秋本佐江
晶と悟も名乗り、改めて3人で話でもしようかという感じになった時。
「あーーー!私学校に忘れ物しちゃったあ」
晶は席を立つ。
「ええ⁉」
佐江は驚愕する。
「ま、弟は残していくから後は二人でよろしくー♪」
「そ、そんな・・・」
佐江の表情は誰が見ても落胆していると分かる。
「姉ちゃん待った」
「何よ」
「ちょっとこっち来て。秋本さん、すぐ戻ってくるから待ってて」
「は、はい」
悟は晶を連れ出して二人きりになる。
「どうしたの?」
「全く、姉ちゃんが帰ってどうするの」
「もう、この子はウブなんだからー、仕方ない弟だわ。いい?あの子は悟の事が好きなの。だからお邪魔虫な私は気をきかせてあげているのよ」
「やれやれ・・・大不正解」
「なな、何ですって~」
「秋本さんの目的は姉ちゃんだよ」
「わ、私~⁉そんな訳ないでしょ!」
「証明してみせるよ、さっき姉ちゃんが言ってた忘れ物の嘘を利用しようか」
「どういう事?」
「忘れ物を姉ちゃんじゃなくて僕が取りに行くと言うよ、秋本さんの目的が僕なら引き留めるだろうし、姉ちゃんが目的なら・・・」
「そのまま行かせる・・・って事か。分かった、試してみましょう、あの子の目的は絶対に悟だもん!」
2人は秋本の待つ席に戻った。
「ごめん、お待たせ」
「いえ」
「それで、秋本さん。さっきの姉ちゃんの忘れ物は僕が取りに行ってこようと思うんだ」
「え!そうなのですか」
「うん、2人で行く必要無いし、姉ちゃんはここに残ってもいいかな?」
「はい!私は全然!むしろその方が・・・あっ・・・いや・・・」
「ほらね」
「うそーん」
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