悟VS良信②

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悟VS良信②

悟は語りだす。 「僕には双子の姉がいるんですけど・・・やたらとモテるんです、女性に」 「女に?姉なんだから、女同士になるよな」 「ええ」 「そんな美人さんなのか、まあサトも顔がいいもんな」 「いや、そういうんじゃないんです。男にはモテないし、女性だけ寄ってくるんです。姉ちゃんも寄って来る女性もレズビアンではない、普通の女性なのに恋愛対象として姉ちゃんに近づいてくるんです」 「なるほど、不思議な話だ」 「そして、僕はその現象をなぜかちっとも不思議に感じないんです」 「不思議に感じない事が不思議ってか」 「で、心当たりが1つあって、確か13歳くらいの時なんですけど・・・その時何かが有ったんです」 「何かって何よ」 「それが分からないんです、全く思い出せなくて。でもそれまでの僕は『姉ちゃんが変だ』って悩んでいたのを覚えています」 「しかし、その何かがあってからパッタリと悩まなくなったと?」 「はい」 「それらの原因に魂が関係していると?」 「はい」 「さすがに無理がある推理だと思うぜ」 「そうです、だけどそれについてもなぜか確信があるんです」 「魂が原因だと信じてるんだな」 「はい」 「ふうむ」 「では、失礼します、聞いてくれてありがとうございました」 「ええ⁉帰るの?もう?あっさりしてるなあ」 「こんな話、真剣に聞いてもらえるだけで満足ですよ」 「俺の意見とかいいのかよ」 「はい、魂の存在を信じていないのなら聞いても仕方ないので」 未練など全く無い証拠にサッと悟は踵を返す。 「待ってくれ!!」 そんな悟を呼び止めた。 「何ですか?」 「そんな冷たい事言うなよ、今俺の意見も変わった。魂の存在信じるぜ。だからこれからは俺と一緒に考えようや」 「いいんですか」 「ああ、サトが嘘や妄想の話をしているとはどうしても思えねえ。俺も仏道の探求に行き詰っていたところだったんだ。そこにこうしてサトが現れた、これはきっと仏の思し召しだろ、頼むよ」 「いえ、こちらこそよろしくお願いします」 「ああ、よろしくな」
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