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悟VS良信③
「じゃあ、サトが思う事もっと聞かせてくれ」
「はい。姉ちゃんって小学生の頃は、本当に目立たない普通の子でした。個性も何にもなくて影も薄かったです。異変が始まったのは10歳くらいからで口癖でチンコを連呼するようになりました」
「ぶっ!!」
驚いて吹き出す良信。
「変ですよね」
「いや、幼児とかならまだしも齢とってから女の子がいう口癖じゃねえぞ!」
「ちなみにこの事も僕は不思議に感じていません、頭では変だと思っているのに」
「それもまた不思議だな」
「そして僕たち姉弟が中一になって夏休み明けの2学期すぐの事です」
「何があったんだ?」
「今まで接点も無いし、クラスも違うのに、学年で1番可愛いって言われている女の子が姉ちゃんに急接近してきました」
「突然?」
「はい、つかつかと姉ちゃんの席に向かって行って『今日から友達になりましょう』って」
「何の前触れも無しに?」
「ええ、最初は姉ちゃんも戸惑っていたけど、やがて馴染んでいきました」
「まあけどそれだけなら、いい友情の話ともとれるよな」
「はい、しかしその学園1のアイドルは姉ちゃんを性の対象として見ている事を確信しています」
「それも根拠は無いけど、魂の確信って奴か?」
「いえ、それは根拠有るんです。ハッキリ言って僕でなくても見てたら分かるくらいバレバレです、最近はもう隠す気が無いんじゃないのかってくらい大胆です。まあそれでも姉ちゃんは気づいていませんけどね」
「チンコが口癖の美少女に愛される姉・・・いや・・・言葉が見つからねえよ」
「ここからは魂の話です」
「おう」
「姉ちゃんには何か特別な力を持った魂が宿っている、その魂が今の姉ちゃんを構築している」
「そうだとして、サトは何をどうしたいんだ?」
「チンコっていう口癖を止めさせたいんです」
「それだけ?」
「それだけです」
「そんなの口頭注意で済まないのか?」
「もう5年、家族で説得していますけど全く効果が有りません」
「反抗期なんじゃ・・・」
「姉ちゃんって滅茶苦茶、家族思いなんです。父さんや母さんの事を凄く大事にしているのを僕はいつも感じています」
「いいコなんだな、だけどそれだけは制御出来ない・・・まあだからと言ってその原因が魂だなんてやっぱり暴論だと思うんだけど、サトを信じて俺もその線で色々と調べてみるわ」
「よろしくお願いします」
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