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新たなる刺客②
昼休み。
グサッ!・・・グサッ!・・・グサッ!・・・グサッ!・・・グサッ!・・・
彩は、綺麗に兎カットされたリンゴを何度もフォークで刺している。
刺さっては抜いて・・・刺さっては抜いて・・・刺さっては抜いて・・・
グサッ!・・・グサッ!・・・グサッ!・・・グサッ!・・・グサッ!・・・
ウサギりんごは穴だらけになり、果汁が漏れている。
暗黒オーラを纏い恨めしそうな顔つきはとても学校のアイドルとは思えない。
「だから言ったじゃない・・・」
晶を睨みつける。
「いや、偶然だよ・・・」
「偶然?この数日で3人目よ⁉」
「ぐ、偶然だって」
「しかもなにあの小娘!『晶様』だあ⁉あああ、ぶっ刺してやりたいわ!」
「おおお、落ち着きなよ彩!」
「どいつもこいつも晶の事を狙っているのよ!落ち着いてなんかいられないわ」
「何を狙ってるっていうのやら」
「そんなの晶にとっての一番の座に決まってるじゃない」
「それは彩だよ」
「・・・・・・・・・・・・あきらぁぁぁぁ♪」
暗黒オーラは一瞬にして霧散し、いつもの明るいレインボーオーラの彩に戻った。
「まあ、実際私にとって初めての相手だもん(初めての親友だもんな)」
「えええええええ⁉は、初めて・・・(ファーストキスの予約って事よね)」
「うん。あ、そうか彩は人気者だから私が初めてじゃないんだね(友達いっぱいいるもんなあ)」
「何を言っているの!!私も初めては晶しかいないわ!!!」
「そうなんだ」
「そうよ、変な事言わないで!」
「おう。(まあ、とりあえず機嫌が直って良かった良かった)」
・・・と思っていたら
「晶様ぁ!!」
伊藤夏鈴が現れる。
「あ」
彩のオーラはまた暗黒に戻っていた。
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