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悩める彩④
彩は部活が終わると悟と合流する。早速の作戦会議。
「事情は朝送った通りだよ」
「ありがとう悟君、だけどあれから色々考えてみたんだけど・・・」
「そうだよね、一緒に住んでいないのが逆に厄介で、児相や警察に通報した時にその暴力彼氏が佐藤さんの家にいるとは限らない」
「うん、夏鈴さんのお母様は聞く耳持たないみたいですし、夏鈴さん自身も妹の事を気にして、あまり動けないときている・・・」
険しい表情で思い悩む彩、その横顔を見ながら悟は語りだす。
「実は・・・1つだけ良い方法があるんだ」
「え?そうなの?だったらもっと早く言って下されば良かったのに」
すぐに返答せず数秒、間をおいて悟は話し出す。
「でもこの方法は松井さんにとっては良い方法では無いよ。しかも他の人が聞いたら到底理解できない素っ頓狂な方法、でも僕たちはその方法なら成功確率が高いと共感出来ると思う」
「もったいぶった言い回しは止めて下さい、その方法を早く・・・あ・・・」
松井は悟の提案を察した。
「そういう事だよ、無茶苦茶だろ?でも松井さんなら理解出来る筈」
「やだ・・・その方法は嫌です。ほ、ほほ、他の方法を考えましょう」
あからさまに目が泳いで動揺を隠せない彩。
「別に僕は松井さんのサポートだから、松井さんが嫌なら無理強いはしない。だけど解決策はあるのに何もせず、時間を浪費している間に佐藤姉妹は理不尽な暴力を受けているかもしれないね」
「そ、その言い方は無理強いしています!」
「そうだね、だけどそれが僕の意見。決断は松井さんがすればいい」
「だ、だから、他の方法を・・・」
「分かった」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「ん・・・・んんんん~!!!・・・・・や、やはり悟君の提案でいきましょう」
「いいの?大丈夫?」
「構いません!晶は私が1番だと、本命だと言っていました。だから問題有りません!!」
「松井さんってやっぱり素晴らしい人だね、姉ちゃんが好きになるのも分かるよ」
「そそそ、そうでしょう!や、やりましょう!!」
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