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ピカーッ!①
双子の弟、悟は姉の「チンコ」発言が平気だ。
もちろん最初から平気で受け入れた訳では無い。
5年前、晶は10歳になり性への意識が芽生えると、突然何の脈略もなく「チンコ欲しい」と言い出すようになった。
性の目覚めは男女差がある。
晶は性に目覚めていたが、悟はまだ目覚めておらず「下品なギャグを覚えたな姉ちゃん」くらいにしか思っていなかった。
しかし13歳になり悟も性の意識が芽生える。
3年間変わらず「チンコ欲しい」と言っている姉がとんでもない異常だと遅れて知った。
両親、悟の3人で何度も注意したが、呼吸をするかの様に「チンコ欲しい」という晶。
せめて学校では言わないでくれと約束させるのが精一杯だった。
どうしたんだ姉ちゃんは?姉ちゃんは変態なのか?・・・という事は双子の僕も変態なのか?自室で1人悩む悟、その思いは募り・・・
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
10代の熱き衝動と葛藤で叫んだ、その時。
ピカーッ!!と部屋の上の方が輝きだした。
輝きは眩しすぎて直視どころか目を開ける事も出来なくなった。
輝きは広がり続け悟を包み込む。
「うわーーーーー⁉」
数十秒後、悟は恐る恐る目を開けた。
「え?・・・えーーーーーーーーーー⁉」
僕は自分の部屋にいたはず・・・ここはどこだ?
ただただ白い、上下左右360度白い。
見渡す限り白い世界。
白いだけで何もない世界。
ただ悟の前に「いかにも仙人」って感じの風貌の白髪白髭の老人が立っている。
「ほっほっほっほ、ワシは異世界の・・・」
「ああ、異世界転生モノね。なるほど」
悟は異世界の狭間の管理人の言葉を遮った。
「もう少し驚いたり、説明を求めないのか?」
「いらないよ、ここは地球とは違う空間で、貴方は神様か何か、違うとしても要するにここの支配人か管理人みたいもんでしょ」
「日本人の異世界への理解は凄いのう、ゴンザレスの時とは大違いじゃ」
「それより用件は何?僕は違う世界に転生するの?」
「なんじゃ、したいのか?残念ながら違う。お主の姉の事で説明に来ただけじゃ」
「姉ちゃんの?」
「お主の姉に不思議な事が起っとるじゃろ?」
「あ、ああ!3年前からチンコチンコってずっと変なんだよ。貴方が教えてくれるのか?」
「うむ」
「頼むよ、教えてくれ」
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