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 「お父様に悪気は無くたってそんなの関係ないのよ!相手が傷付いた、それが大事なことなの!」  「わ、わかったよ。……私もずっと会いたかったんだ。ちゃんと話してみるよ」  「うん」  できれば歯を食いしばってでもゴンザレスさんと一度くらいなんとかならないものかと問い質したかったが、無理強いはよくないのでやめておく。  *  レイナルドとゴンザレスがフォルメントス軍の駐屯地へ向かってから三時間ほど経った頃、地鳴りのような音が王宮に向かって近付いてきた。  従者からの知らせでそれがレイナルドの連れてきたフォルメントス兵の乗る馬の蹄の音だと知る。  「レイナルドさま!!」  自室から走ってきたルイーゼの顔を見るなりレイナルドの顔は蕩けた。  「ルイーゼ!そんなに僕に会いたかったの?大丈夫だ。もう用事は済んだ。あとはこの者たちを引き連れてヴァレンティナ様と愚兄の宮を占拠するだけだ」  レイナルドの後ろにはズラリと並ぶフォルメントスの兵士たち……と、心なしか逞しさが三割増しなったゴンザレスが。  (そうよね……これがゴンザレスさんの本来の姿だものね)  きっとこの男臭さにあてられたのだろう。  「レイナルドさま、どうか旅立つ前にお時間をいただけませんか?」  「時間?」  「ええ。父にゴンザレスさんと話す時間を与えて欲しいのです」  ルイーゼの言葉を耳にした途端、さっきまでの男らしさが急に鳴りを潜めるゴンザレス。  やっぱり可愛い。  「……それは構わないが、二、三時間が限度というところか」  「ええ、ええ!充分です。ね、お父様?」  「あ、ああ。……ゴンちゃん、いいかな?」  モジモジしてるのは了承のサインだろう。  可愛い、可愛すぎるよゴンちゃん。  「それと……レイナルドさまは私の部屋に」  「……ルイーゼの部屋に?いいの?」  意外な反応だ。こういう時いつもの彼なら食い付くどころか丸呑みするくらいの勢いでついて来ると思ったのに。  「はい。たいしたおもてなしはできませんが、レイナルドさまも出発まで少しだけお身体を休めて下さい」  「わかった。ありがたくお邪魔する」  そしてルイーゼは父とゴンザレスを密室に閉じ込めたあと、レイナルドを自分の部屋へと案内したのだった。
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