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私は、あなたのことが嫌いよ
うん、私ももうあなたのこと好きじゃないよ
私は、あなたに酷いことをしてしまったわ
そうだね
許されないことをしてしまったわ
……
ごめんなさい
うん
許さなくてもいいわ
うん
だって、全て私のせいだもの
うん...でもね、全てじゃないよ
え?
だって、学校に行かないことを選んだのは私だもん
でも、それは元を正せば私のせいでしょう
ううん、あの選択だけは私の意思だよ
そう...
だからね、あなたのこと許してあげる
本当?
うん、本当だよ
「だから、私はもう大丈夫だよ」
誰もいない部屋で私は呟く。私とあなたにそう言い聞かせるために。
「行ってきます、お母さん」
ありがとう
部屋を出ていく私の背中にそんな声が聞こえた気がした。振り返って見ても、いつも通りの部屋があるだけだ。だけど、今日はいつもと少しだけ違う。この部屋にいつも居る一人の少女が今日は居なくなるのだ。それは、きっと明日も___。あの子が卒業するその日まで。
ずっとあなたのこと見守っているわ、大好きだった私の娘
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