1日目 「月はいずれ満ちて欠けていく」

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「今日も、学校休むね...」  私は、何度この言葉を言うのだろう。 私は、一体いつから学校に行かなくなったのだろう。 ﹢ ﹢ ﹢ ﹢ ﹢ ﹢ ﹢ ﹢ ﹢ ﹢  ピピピピッ、ピピピピッ。 部屋のアラーム音が部屋中に響き渡る。 「今日も、学校か...」 (行きたくないなぁ....) 学校に、行きたくない。行きたくない...か。学校に行きたくない人は、この世界にそれこそたくさんいるのだろう。しかし、それと同じくらいたくさんの人が、学校に行きたくても行くことができないのだ。例えば、近くに学校がなかったり、家族のために家のことをしなければならなかったりといった場合もあるだろうし、他にも何かしらの病気とかで入院しないといけなかったりだとか、学校に行けない子の数くらいたくさんの理由があるのだろう。その子たちと比べると、自分がどのくらい贅沢な悩みを抱えているのかもわかる。だが、行きたくないものは行きたくないのだ。 (しょうがない、今日も休もう) そう、今日もまたいつもと同じ結論に至る。罪悪感がないわけではないのだが、こればっかりはどうしようもない。だが人間とは、かくも不思議なもので”学校を休む”という結論に至った途端、自身の罪悪感はあれども心は軽くなったように感じる。とりあえず、休むことを親に言いに行かねばならない。そう思い私はベッドから起き上がり、部屋から出て、階段を降り、一階へと向かう。一階にある台所からは今日もいい香りがする。私は、台所でお味噌汁をつくっているお母さんに問いかける。 「お母さん、おはよう。今日も、学校休んでもいい?」 その言葉にお母さんは振り返って言う。 「あなた、今日も学校休むの?もう、しょうがないわね」 今日もまた困ったような表情をするお母さんを見て、私の中の罪悪感がほんの少しだけ大きくなる。 「ごめんなさい」 「謝らなくてもいいのよ」 罪悪感に耐えかねた私の謝罪に、お母さんは私の方を見て優しくそう言う。それでも私が顔を上げられずにいると、お母さんは調理をする手を止めて言う。 「学校はね、行きたくなったら行ったらいいのよ」 私は、お母さんの言葉に顔を上げる。それを見て、お母さんは優しくにっこりと微笑んだ。 「それより、もう少しでご飯ができるから準備手伝ってちょうだい」 「...うん!」 お母さんの温かい言葉に私の心が軽くなる。こうして私は今日も、いつもと変わらぬ日々を過ごしていく。
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