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12 試験が終わったら夏休み。 ダラダラと集中出来ない試験勉強をする日を過ごしてテストはあっという間に終了した。 後はひたすらにバイト漬けの生活が待っている。 金は幾らあっても困らない。 何をするにも金がいる。 高校から親父の家を出て、何とかバイトで食い繋いできた俺からすれば、こんなにバイトが出来るのは夢のような話だった。 「来月はちょっと好きに使える金が出来そうだな」 生活費に追われているのはキツかったけど、親父と二人で暮らすのはもっとキツかった。 離婚後、性格が変わったようにだらしなく酒やギャンブルを始めたからだ。 かろうじて払ってくれていたアパートの家賃は大学に入ったと同時に支払われなくなった。 そんな生活も少しは慣れた。 少し睡眠を削って、少し多く働く。少し好きな物を控えて、少し我慢強くなる。 ただそれだけだ。 とはいえ、来月の給料が明らかに大幅アップである事に違いはなく、我慢して切り詰めた生活をしているストレスは膨らんでいないはずはなかった。 俺は携帯を出してゲイの出会い系サイトを開き、慣れた手つきで操作していく。 最近めっきりシテいない。いや、出来ていないと言った方が正しいか。試験とバイトに明け暮れてそれどころじゃなかった。 でも、こんな時ならホテル代も気にせず出せるってもんだ。適当に探して、一日だけ快楽を貪る。 相手は誰だっていい。ゲイに出会いがないのは今に始まった事じゃないし、だから、俺は性欲を解消するのに時折出会い系を使っていた。こっち側の人間ならこの流れはごく普通と言っても良いかもしれない。 これはただの処理に過ぎないからだ。 まさか七斗とどうこうなんて望めないしな。 とんでもないことがふと頭をよぎり苦笑いしてサイトに書き込んだ。 “今日がっつりいける人" まぁ簡単に言えば、SEX出来る人って事だ。 すぐにめぼしい内容が返ってくる。 昼間っから盛ってる変態くらいが丁度いいな。 何せこっちは溜まってるんだから。
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