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翌朝、俺はティッシュに塗れて目が覚めた。
あんな絡みを見せつけられ、疲れマラも手伝って若い性は盛んに…あぁ…そう、そう…。
盛ったわけだ。
オナって寝落ちとかマジで童貞かよ…。
そんな馬鹿な事を心の中で呟きながら、シャワーを浴びて支度を済ませた俺は朝から大学の授業を受け、昼を過ぎた頃にはまたあのファーストフード店に居た。
いつもと同じ席、同じシャーペン、同じノート。
別に何かを期待したりしていない。
あくまでも、全くのいつも通り。
耳にイヤフォンを付けて、自分の書くシャーペンの音さえ聞こえないまま文字を書いてノートを埋める。
そこに影がかかり、俺はゆっくり顔を上げた。
昨日とは少しデザインの違った黒い服に身を包んだ橘がニッコリ笑って立っていた。その姿はさながら足音を立てない黒猫のようだ。
俺は慌ててイヤフォンを取り外す。
「お前っ…なんで」
「何で?酷いなぁ…光さんが居るのが見えたから」
「見えたら来んのかよ」
呟いてからイヤフォンを耳に戻そうとしたら、その手を掴まれた。
「付けたら…俺の声聞こえないでしょ」
橘はそう言って向かいの席に座った。
俺は辺りを見渡し、橘と目を合わせる。
橘はニッコリ笑い、首を傾げながら手にしていたシェイクのストローを刺した。
「他、空いてるぞ」
「何?」
「何じゃないっ…席だよ…沢山空いてる。向かいに座らなくてもな」
すると、橘はギシッと音を立てて背もたれに身体を倒した。
「ほんっと酷いなぁ〜、もう友達なんだから向かいに座ったって良いでしょ?」
俺はジッと橘を睨みつけたが、まるで堪える風でもないので諦めて肩を竦める。
「勝手にしろ」
「ハハッ!勝手にするっ!てか、機嫌損ねたお詫び…ハイッ!」
さっきシェイクに突き刺したストローをグイとこっちに向けてくる。
「い、いいっ!」
「えぇ〜まだ飲んでないからあげますって!ほら…ね?」
ググイとストローが唇の前に来る。
俺はもう一度だけ橘を睨んでからストローに渋々口をつけた。
軽く吸っても中身が上がってこない。
橘はカップを持ったまま呟いた。
「もっとしっかり吸わなきゃ…出ないよ?」
俺は頬に力を入れてストローを吸った。
すると、橘はククッと笑う。俺は上目遣いに彼を睨むと
「エッロ…このアングル、しゃぶられてるみたい。」
俺は慌ててストローから口を離した。
口角からタラッとタイミング悪くシェイクが溢れる。慌てて手の甲で擦ると、橘は意地悪な顔で俺に言った。
「いっぱい出たね…てかさ…あんた…マジでエロ過ぎ」
俺はカァッと頭に血が昇って、バンと机に両手をついた。
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