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オリバー····なんであの女と一緒に住まなきゃいけないの?
しょうがないだろ…お前は子供が授からない…一緒に住むけど、敷地内で顔を合わせることはないだろ····グレイス我慢してくれ
オリバーの頼みでグレイスはしょうがなく認めたが気持ち的には敗北だった。
私が子供を授からないからって····グレイスは泣きたくなった。
見た目に惚れて金に物言わせてケイトを妾として迎え入れ、オリバーは自分が楽しむだけ楽しんで愛の無い行為で、いつの間にか授かった赤子…。
(愛情が出るわけが無かったが、育てて行くうちに可愛いと思える日が来るかもしれない····が、メイドが、そのチャンスさえも取り上げた)
ケイトは愛していない男オリバー·チャップマンの子を生んだが幸福な気持ちにはなれずにいた。
オリバーのメイドがケイトの生んだ赤子の世話をする。(私は何の為に子供を授かり生んだのだろう…私が育ててはいけないの?)
マリーの散歩に出掛ける時(メイドもばあやも一緒に出掛ける)ケイトは煩わしくて酸欠になりそうにる。
「マリー」抱きあげ笑顔で話しかける。私が少しでも幸福に導かれるために····。だがマリーは泣き出す。何が気に入らないの?ケイトは分からなかった····。ばあやがマリーを奪いオムツを交換して、白湯を飲ませてからあやす。
夜は子供部屋に連れていかればあやが、あやして寝付ける。
正妻との間に子供が授からなかったからの妾のケイト。ただ生まれた子供は女の子…·男の子だったら正妻になれたかもしれない…·。
モヤモヤした気持ちで家事も育児もせずに何ヵ月も過ごした。自分の気持ちを奮い起こす為に美容に力を入れて過ごした。
食事は何を食べれば良いのか、運動は食前、食後に何をすれば良いのか、肌に良い基礎化粧は何が良いのか、調べるだけ調べて実行に移した。
美貌を保持するために時間と金を使って産前の、ケイトに戻った。喜んだのはオリバー。不機嫌になったのは正妻のグレイス。(あの妾····どうしてやろうか····)グレイスは嫉妬に狂いそうになる。
思いが絡み合う愛憎の中でもマリーはばあやの愛情で健やかに育っていく。
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