加津夫

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加津夫

日本だけで終わりたくなかった加津夫は三流でも外国語が学びたいと思い大学受験をすることを親と話し合いをした。 「何でそんなに勉強したいの」 母の問いに加津夫は外国人と会話が成り立たず悔しい思いをしたことを話した。(道を聞かれただけの事だったが側にいた友達の堅次が意図も容易く答えていたのが大打撃) 加津夫の両親は何か夢があるのかと聞いたが加津夫はこのまま日本の片隅で肩身の狭い思いで過ごしたくない。せめて外国語を大学で学び世界に出たい····と両親に話した。 「目的もないのに大学なんて意味がない。大学に行かなくても英会話が出来るようになれば良いんじゃないのか」父親は安易な説明に納得いかず、大学受験に頷けなかった。 「俺は通訳出来るようになり、世界に出る」 父親は加津夫の情けない言い分にため息をついた。 「一回落ちたら二度目は無いと思えよ。あとバイトしろ····世間の勉強しながら受験しろ 、条件はそれだけだ。加津夫、男がやると決めたらやれよな」加津夫は悔しい思いがあふれて漏れそうだった。 学校から1駅離れたコンビニでバイトを始めた加津夫、第一条件クリア。 コンビニバイトが終わると堅次と勉強する。 休みの日にも堅次と勉強する····頭が爆発しそうだった。 そんな生活が受験するまで続いたが堅次は勉強が得意で教えるのも、とても上手だった。 「加津夫~お前は偉いな、勉強熱心で良くやるよ」コンビニの廃棄肉まんを2人で食べる。 「何でお前は そんな勉強教えるのがうまいんだ?」加津夫は自分の頭にすんなり入る事が不思議でならなかった。 「俺は教師になりたいんだ、公務員だし安定してるだろ····」 「お前の名前の由来が分かった。堅実からきたんだろ」 「ばーか、次男だから堅次だよ」
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