加津夫就職

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帰宅して両親に来月からイギリスで営業活動を半年間ほどすると話した。 「とりあえず頑張って来い。あと連絡は、まめにしろよ」 「ちゃんとご飯食べるのよ」父親、母親はあっさりしていた。 悩みがあるなんて両親には言えなかった。 堅次に速攻電話をした加津夫。 「お~久しぶりだな仕事はどうだ?」堅次の明るい対応に加津夫は一安心した。 現状を伝え自分の悩みごとを説明した。 「なんだ上手く行ってると思ったけどな~相方がヒデェ~奴だな」 「堅次は上手くいってるのか」 「平穏無事だよ。学級崩壊してるクラスも出てきてるけどな、1人1人と対峙すると悩みごとが、ハッキリ見えてくる。そこから生徒にどうしたい?ってやりたいこと聞いて親にも話して良い道を提案するよ」そんなに簡単には行かないだろうと加津夫は思わずにはいられなかった。 「1人1人と向き合うって容易じゃないけどな。家庭環境、経済的にも違うからな。ただ目的は子供に良い成長をしてほしい····たぶん親も一緒だと思うからな~俺は。それの話し合いはしていかなくちゃダメだろうと思っているよ自分の時間裂いてでもやるよ····上からやり過ぎはダメって言われるけどな····教育体制が間違えてるよこの国はさ」皆が皆、国のやり方に従わせれば扱いやすいだろう····飼い慣らした家畜のように思っているのか?それは違うだろ自由な思想だってあるはずだ。頭でっかちの高学歴ばかりでてきて。学校が金儲けしていることがアウトだ。好きに勉強教えたり教わったりできるシステムをつくるべきだ」と堅次と加津夫は長電話で話した。 ふと中学生の時、英語で道を訪ねられ答えられなかった自分と、堅次は安易に返答できた事を加津夫はずっと謎だった。 「知ってる単語を聞けばなんとなく解っただけで、解らなかったらもう一度聞けば良いんだよ。それと知ってる単語とジェスチャーで通じただけだよ、発想の転換が大事だな~頭ガチガチじゃ頑固になるぞ~」 2人は笑った。 結局高橋さんの対処はうやむやになって電話を終了した。
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