加津夫就職

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仕事終わりに出張グループは新入社員歓迎を兼ねて飲み会にいった。 なるべく早く退席しよう····加津夫は思い出席した。アメリカにいくチームの新入社員に女子が多くて華やかだった。イギリスに行くのは…高橋と加津夫、会話は盛り上がらない。 ビールを飲みトイレに行くメンツが増えてくる一時間後。 「石本君、何で高橋君とコンビ組んだの」 先輩女性職員の田中が高橋がトイレにいっているときにこそっと聞いてきた。 「上からイギリスは君たち2人····と伝えられそうなりましたけど?何かありますか」田中は何もないけど····と歯切れ悪く答えた。 石本と出張して地固めしますと高橋が社長に直談判したらしいから何か企みがあるかもしれないから気をつけて····田中は伝えたが高橋の印象は悪く何処かで犯罪に巻き込まれたらどうしようと加津夫は不安を募らせながらビールをあおった。 「石本、飲んでも飲まれるな だぞ。解ってんのか、ヒョロヒョロちび助」トイレから戻ってきた高橋は加津夫にイチャモンをつけコップを奪い取りコップに残っているビールを飲み干す 「いきなり取り上げて····何するんですか溢れるでしょう」 「うるせぇな。グズグズ言うな」どっちがアルコールに飲まれているんだか····加津夫はムッとしながら離席しようとしたが高橋に上から肩を押さえられ立たせてもらえなかった。 「離席は許さねぇぞ」 「トイレにいきたいだけです。離してもらえませんか」高橋を睨み付けながら一言そう言った。「鞄は置いていけよ」鼻でわらいながら加津夫のビジネスバッグを奪い取る。 「鞄の中は開けないで下さい。開けて中身を見たら警察に通報しますよ」
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