マリー

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ケイトはばあやからの手紙を読み早くイギリスに行きたかった。 置去りにしてしまった子供に今さら会うなんて虫が良すぎるかもしれないが一瞬でも良いので笑顔が見たかった。 私が生んだ娘がイギリスで、へこんで生活しているらしい····愛のない生活から授かった赤ちゃん…私が愛情を注ごうとしたけれどメイドとばあやに奪われた····そんな自分に△△(某アパレル企業)の専属モデルにならないかと声かけられてアメリカにいった。オリバーと私は結婚していなかったからマリーはグレイスの娘という事でチャップマン家の正式な娘になったが····マリーはなぜ笑顔を見せなくなったのかしら····。 キャロルにイギリスに少しでも良いので行きたいことを伝えた。 「ケイト来月辺りならイギリスのファションショーがあるけど私も一緒に行った方が良いのよね? 」ヘアメイクプロデューサーのキャロルが尋ねた。 「もちろんお願いしたいわ。エイミーもつれて行くわよね? 」キャロルがレイプされてできて生んだ子供エイミー。今、小学生だったので学校を休むわけにはい····不遇な経緯で授かった命。生んだからには幸せになって欲しい、キャロルは環境が許してくれるならずっと側に置いて愛情を注ぎたかった。(命に罪などない、醜くもない美しいのだ。)長期休校時期ならエイミーと一緒に同行するのは問題はないが娘を家に置いていくのは無理だった。 「エイミーの事、最低半月は生活を見てくれる人は誰かいないのかしら~見ていてほしいのだけれど····」キャロルはエイミーをつれていくのも自分がケイトに同行するのを諦めた。 ケイト(SPは連れていくが現地のスタッフに へアメイクをまかせる)は単身でイギリスのファションショーに行くことを決めた。 「気をつけてね」出発予定日キャロル ケイトはお互いの心配をしながら暫しの別れの挨拶をした。
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