マリー

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マリーとばあやが何故夕食の時間なのに家に居ないのか?とグレイスはメイド達に聞いた。 「学校から帰宅されソフィアさんとご一緒に行かれたので何かご用かと」 「私はそんなこと聞いていないわ。お前達は何故、何の用事で出掛けたのか聞かなかったの」グレイスに詰め寄られて押し黙って視線を足元に落としたメイド達の姿を見ただけでばあやが一緒なら安全でしょう····と思い込んで追求はしなかった。彼女達の信頼感はグレイスよりばあやの方が断然うわまわっている。 メイド達を見るからに自分に報告する事はない、ソフィアさんが帰宅してからお聞きくださいと無言で言われているようでプライドが傷ついた。 ばあやはマリーと一緒にオリバーの部屋で今日あったことを伝えた。 「ケイトと会いましたがお嬢様は酷くショックを受けられて倒れてしまいました····今もお目覚めになられていません」 「何を聞かされたんだマリーは?」実母はグレイスではなくケイト本人が産み····そして出ていってしまったこと。マリーは捨て子同然で誰からも愛されていないと思われた····と、ばあやは要点を纏めてオリバーに伝えた。 グレイスの接し方に問題が有ったのだろうとオリバーは考えたが····原因はグレイスだけではない…自分自身グレイスを蔑ろにした罰だ。 タメ息をついてオリバーはばあやに伝えた。 「私の犯した罪だな····懺悔に行ってこよう」
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