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マリーの部屋のベッドで気を失ったままのマリーを気づかいながらばあやは見守っていた。
「ばあや····ケイトは? 」気がついたマリーは声をかけてた。
「お嬢様、お気づきになられてようございました。ばあやは心配で寿命が縮まりましたよ」
「ばあやは大丈夫、元気よ」穏やかに笑い合っているマリーの部屋にグレイスが突然やって来た。
グレイスの声は地の底から聞こえるような威圧的な声でマリーに問いかけた。
「こんな時間までどこに行っていたの ? 」
「奥様、事後報告になり申し訳ありませんでした。お嬢様の気分転換が必要かと思われ、私と一緒に出かけておりました」ばあやの報告にグレイスは苛立った。
「マリーどういう事なの? ちゃんと説明しなさい」
マリーは顔をあげグレイスを睨み付けながらキッパリ言った。
「霧が掛かっていて訳の分からない事が分かってスッキリしました、私はもう大丈夫です。ばあやを責めないで下さい」
「そうなの。分かったわ、ばあやの意図では無いということなのね。じゃあ、マリーが意図的に気分転換したくて出掛けたという事なのね」
グレイスもマリーを睨み返し詰め寄る。
生意気な子供····どうにかして貴族と血縁者にして称号がいただけたらポイ捨てしてやる。
「そうです。お母様は良く分かってらっしゃるはずです。お母様と呼ばれるのも嫌気が増すでしょ····? 私もお母様とはお呼びしたくありません」
マリーの発言にばあやは肝を冷やした。
グレイスはマリーの生意気な口を黙らせるために何度も平手打ちをした。
以前はうずくまり泣いていた小娘が泣きもせず睨みつける少女に成長していた。
「奥様、お止めください。何の解決にもなりません」
何を解決しようと思って私の行動を制止するのかしら。グレイスは憎くて腹立たしかった。
「ばあや今日はありがとう、もうおやすみになって。また明日よろしく頼むわ」マリーはばあやに笑顔で部屋を送り出した。
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