幸せの道🍀

海外出張

初めて来たイギリスの表面は美しく見えた....が加津夫は隣を歩いている高橋と自分が引きずる荷物に辟易していた。口には出さないが(あ～重たい)と呟いてしまいそうだった。ホテルまでの足取りがいつも以上に重くうまく歩けない。
「おい、石本....早く歩けよ。チェックインするぞ」会社が予約をとっていたホテルに重い荷物を引きずりながら漸くたどり着けた。
案内された部屋はツインルームでさらに気持ちが落ち込む加津夫....最低2週間は高橋とこの部屋にいなければならないのか。タメ息が出た。
「お内裏様みたいな顔でタメ息つくな士気が下がる。明日は朝から営業に行くぞ」
「解りました....何時から出動しますか？ 」
「朝食を済ませてだな。営業先の会社が11時から開くからその時間までには向こうの会社に着くように行くぞ....
ホテルから歩いても10分程の近距離。変な事はできないから気を付けろよ」
(貴方がね)加津夫は心の中でぼやいた。
初めての営業先が近すぎなので夕食も外に食べには行かない方が得策だ。