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1日に営業先2ヵ所行き(本社がアポイント入れていた所)ホテルに帰った加津夫は浴衣を脱ぎ口紅を洗い流した。
腹立たしい····こんな格好しなくてもまともに自己紹介 商品紹介させてくれれば良いじゃないか。
と思いながら浴衣を丁寧に畳んで高橋に渡したたが受け取らなかった高橋。
「高橋さんお返しします。明日は普通にスーツを着ていきます」ブスくれながら再度、高橋の手に浴衣を渡した加津夫。
「まぁ、気にするな。大盛況だったろ? 俺が見込んだ通りだ。明日は別の浴衣を着ていくぞ」ニヤケながら高橋は加津夫の意見を却下した。
とことんバカにしやがって、自分の策略が大成功だと思って自分自身でやってみろ!
言ってやる。
「高橋さんの、ご自身の浴衣はお持ちではないですか? 」
「持ってきてねーよ。お前よりデケェ俺の物は持ち込まねぇ」
「着てください。高橋さんがドレスでも何でも着れば大盛況になりますね。イギリスの方々も度胆を抜かれます」
「俺が着れるドレスのレンタル料は高くつくし日本商品の宣伝にもなりゃしねぇ····バーカ。下らねぇ自尊心なんて捨てちまえ」加津夫は悔しいが、ぐうの音もだせなかった。
ディナーを食べながら明日の営業先での商品を再確認しながら話しの流れを組み立てる。
その日は疲れも手伝って2人とも良く眠れたようだった。
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