何にもやらない

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 ガソリン価格は主婦じゃなくても分りやすい。それが1リッター200円越えとなれば、岸田は矢面に立たされ、庶民の憤懣の声の集中砲火を浴びる。これは今度の参院選にもろに響く。だから補助金を石油元売り会社などに支給してガソリン価格を抑制する。そういうことはちゃっかりやるが、緊張感を持って取り組むだの緊張感を持って対応を検討するだの緊張感を持って状況を注視するだの緊張感を持って対応に万全を期すだのスピード感を持って慎重に検討するだのスピード感を持って適切に対応するだのスピード感を持って検討に検討を重ねるだのスピード感を持って最善の方法を模索するだの、要は言い方を変えているだけで喫緊の問題に対して岸田はその場しのぎの曖昧な言葉で言い逃れ、問題を先送りにし、結局、何にもやらない。具体案を何にも持っていない、講じられない。もし、あっても実行して失敗が明るみになったら支持率が下がるから実行しない。兎に角、スピード感を持ってなぞと変な日本語を用いるなどして言葉で誤魔化し続け、何にもやらないに限るとこの何らかの対策を取らなければ国がもたない大問題が山積みの苦境の中で何にもやらないことが得策であると悟ってしまったらしい。参院選に勝利する、それだけが念頭にあり、それが為に何にもやらない。この代償は参院選後、徐々に手の施しようがない規模で明らかに成って行くと思う。考えるだけで怖ろしい。  件の通り再三何にもやらないと述べてみたが、碌でもないことは参院選後続々とやるだろう。その最たる例がアメリカのジャパンハンドラーズに踊らされる安倍晋三の「台湾有事は日本有事であり日米同盟の有事でもある」且つ「日銀は政府の子会社である」との認識に従って貨幣増刷し、序に消費税を増税して防衛費を2倍にすることだ。これは百害あって一利なし。何故なら防衛費を2倍にしても金をどぶに捨てるようなもので何にもならないばかりか国民の生活を益々苦しくするからだ。だってそうだろう、最早、日本は戦争できる国ではないから平和に繋がる友好外交に力を入れれば良く防衛費なんか有っても無駄だから、いっそのこと失くしてしまえば、その分、予算を他に廻すことが出来、年金増額、医療費負担ゼロ、消費税廃止、学校の給食費只、大学の授業料只等が可能になるのだ。こう述べると、最早、日本は戦争できる国ではないと何で言えるんだと疑問に思う読者もいると思うが、安部晋三がタカ派的発言を連発する中で機関銃の弾からミサイルに至るまで十分とは言えず弾薬の備蓄不十分として防衛費増の必要性を強調することによって日本に継戦能力がない事を暴露し、自分が首相の時に作った特定秘密保護法に自ら違反する失態を演じたではないか。  仮令、防衛費を2倍にしてもドルベースで見ると、防衛力が2倍にはならないし、安部がアメリカの言いなりになってアメリカの言い値でアメリカの兵器を爆買いした所為で衰退した日本の防衛産業では生産能力に限りがあり、原材料の輸入にも限りがあるから弾不足は解消しない。そして最新兵器を日本に渡すと、ネットセキュリティの甘い日本の省庁のネット上から情報が漏洩する可能性があるからアメリカは旧式の兵器を売りがちになる。斯様に日本は弾不足で最新兵器不足な上に自衛隊員も人材不足で志願者が少なく、おまけに高齢化が進んでいる。糅てて加えて元々エネルギー自給率が低いし、食料自給率も昔より大分低くなったから戦争をしたら直ぐに弾も最新兵器も兵士も電力も燃料も食料も尽きてしまう。おまけに国中に多くの人を非難させられる電気を完備した地下シェルターがあるウクライナと違って日本には全くそれがない。だから最早、日本は戦争できる国ではないのであって敵が攻めて来たらウクライナのように長く戦うことが出来ず直ぐに陥落するから防衛も出来ない。そんな国だ。然るに敵基地攻撃能力を身に付ける必要があるとか言う訳だろ。而も敵が攻撃する兆候が見られたら先んじて攻撃するって言うんだから専守防衛に反し、先制攻撃となり、全面戦争に発展する。で、敵が安部の言うように中国なら迎撃不可能な極超音速弾道ミサイルを撃ち込んで来て日本中を廃墟にするか、或いは同じく迎撃不可能なドローン兵器で原発を攻撃して日本中を被曝させるか、或いはサイバー攻撃で原発の冷却システムを停止させ、日本中を被曝させるか、或いは情報戦をやってドローン兵器で要人を殺って日本の戦意を喪失させるか、或いは日本への肥料や飼料の輸出をストップし、日本を食糧危機に陥らせることによっても日本の戦意を喪失させることが出来るのだ。  だから日本は絶対、中国と戦争してはならない。況して中国は日本にとって最大の貿易相手国でありインバウンド相手国なのだから中国とウィンウィンの関係になれるよう仲良くするに若くはなし。そうすれば、行く行くはアメリカの属国から脱却できる。大体、アメリカの属国になっていてもオフショアバランシング戦略のポリシーによりアメリカはいざとなると守ってくれないのだから中国を仲間にした方が絶対良いのである。アメリカはそれを最も恐れているし、自国を抜いてGDPナンバーワンになろうとする中国を蹴落とそうとしているし、軍産複合体が儲かるから日中を戦わそうとしている。  しかし、中国は日本と戦争すると、戦力を消耗した所でアメリカが本格的に参戦するだろうことも流石にアメリカには敵わないことも分かっている上、もし、台湾侵攻したらロシアのウクライナ侵攻の場合とは比較にならない程、世界経済が疲弊してしまい、自国も疲弊してしまうのが目に見えているから出来る事なら戦争したくないのだ。  以上の国際政情があるにも拘らず中国を仮想敵国と名指しして挑発する日本政府って全く以て愚の骨頂だ。思えば本当に劣化したものだ。その所為で最早、日本は経済大国とも言えなくなって来ている。現に国の豊かさを示す指標である一人当たりGDPが近隣諸国の中で日本だけ落ち続けている。このままの経済成長率では2027年に韓国に追い抜かれ、2028年には台湾に追い抜かれると日経センターは予想している。  現在の経済の落ち込みは元はと言えばアベノミクスの異次元金融緩和がいけなかったのであって、それが為に円安輸入インフレになって物価が高騰し、実質賃金は下落し、追い討ちをかけるように新型コロナウィルスやロシアウクライナ戦争による世界恐慌に見舞われ、コストプッシュインフレも加わってスタグフレーションに拍車をかけた。しかし、何より日本政府が肝に銘じでおかなければいけないことは日本経済のあり方そのものがなってないから駄目だという事だ。  駄目にした要因は行政などのデジタル化が遅れ、DX(デジタルトランスフォーメーション)が全く進まず、労働生産性が伸び悩んでいる点にある。片や韓国と台湾はDXが進んでいるから労働生産性が上がっている。だから韓国と台湾が二つの手続きで済ませられるところを日本は二十の手続きを踏まなければならず、新たな仕事に移るまでに無駄が多すぎて労働生産性が低くなる訳だ。  未だに企業間の取引で契約書などの書類への押印やサインが全く電子化されていなかったり、銀行窓口に直接スタッフを向かわせたりと日本のアナログぶりは酷いものがある。  そもそも日本はIT業界がムラ社会で構成されていて閉鎖的だからガラパゴス化して企業間の競争原理が働かず、技術革新が生まれないからDXが進む筈がない。例えばNという巨大ベンダーがEという中央省庁を顧客にする場合、利益を独り占めにしようと外に技術が漏れないようにし、また外から技術が入って来ないようにした上で家の技術がトップだとEに売り込むからEはNがトップだと思い込んでNと取引を続け、NはEから天下りを受け入れるなどしてEとムラ社会を強固に形成するのだ。逆に韓国と台湾は開放的だから技術の遣り取りが自由に出来、また顧客を取られないよう技術革新の為の努力を怠らないから自ずと切磋琢磨し、競争原理が働くのだ。  その様になるようにITゼネコンムラを解体しなければいけないのに日本政府はムラ社会の利権を守ることばかり頭にある余り欠陥に気づかず是正しようと何にもやらない。だから日本の経済復興は有り得ない。他にも厚労省の感染症ムラ、経産省の原子力ムラ、農林水産省の土地改良ムラ、漁港ムラ、公共事業ムラ等々解体しないといけないが、手つかずのままだ。そりゃそうだ、解体したら利権を失うから飽くまでもムラ社会を守ろうとする。謂わばソドムとゴモラを維持しようとする。この現状を変えるには緊張感を持って現状を注視して行くでは無論駄目で自民党を政権から引きずり下ろすしかない。もう直ぐ参院選だ。希望を持って投票所へ足を運び、自分の一票が世の中を変える一つの魂となれば、投票箱に入れる時、嘸かしドキドキ出来るだろう。    
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