エピローグ

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今も、アンネが弱った木々に魔法をかけようとするのを、冷静に制する。 「アンネ様、魔法をかけるのではなく、薬草と水をあげてください」 「わかったわよ。ねえ、ジェフリー、その様っていうのはやめてって言ったわよね?」 小さいながらも腰に手を当てて言うアンネに、ジェフリー今度は大きなため息をついた。 「何度申し上げればいいのですか? 王女と呼ばれないだけありがたいと思ってください」 「何よ。その言い方。ただ様をつければいいと思ってるのはジェフリーの方でしょ!」 「そのおてんばをどうにかしないと、お嫁にいけませんよ」 アンネに背を向けて言うジェフリーに、アンネが大声で叫ぶ。 「他の大人たちの前ではきちんとしてるんだから!」 「知ってますよ」 小声で言ったジェフリーの声は、アンネには届いていないようだが、すぐにアンネはジェフリーの後を追う。 小さいころから一緒にいるお陰で、アンネもジェフリーには言いたいことが言えるようなのだ。 「ミア様、本当にごめんなさいね」 アンネのあまりの言葉に、謝ると優しいミア様は首を振る。 「フェリーネ」 愛しい人が呼ぶ声に、私は振り返った。 大好きなその笑顔は、私の心を一生離さないだろう。 あんな出会いをした私たちだからこそ、今があると心から思える。あの頃よりもずっとずっと愛するということを知ったのだから。 第一部 完
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