第四章

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「限りある力で抑えこめ!」 アレックス様の言葉にグレッグ様が力を込めるのが分かった。そしてアレックス様が魔法陣を描けば、空間に紫色の魔法陣が描かれる。 そこは異空間に悪人を拘束するものであり、封印した人間にしかどうすることもできない。 「させるか!」 フォルク大公が最後の悪あがきをしようとしたのを、国王様が制する。 「フォルク、最後までわからなかったのだな。お前には王には相応しくない」 静かに言ったところで、アレックス様の魔法陣の奥がぽっかりと空間が開く。 「今だ」 グレッグ様とアレックス様の見事な連携で、魔法陣の中にフォルク大公は吸い込まれていった。 あたりがシーンと静まり返る。私はホッとしてその場にしゃがみこむ。 「フェリーネ大丈夫か!」 「はい、私は」 自分で答えてハッとする。周りにいた人々を確認しなければ。
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