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「うーん」
すぐに意識を戻したのは父で、やはり魔力の差があるのだろう。義母とソフィアの意識がないのに気づき、この場の人々の様子をサーチすると、外傷もなくまもなく目を覚ますとわかった。
「何があったの……」
義母、続いてソフィアと目を覚ましていく様子を見ていると、ソフィアが声を上げる。
「フォルク様は? フォルク様はどこに行ったの」
全く状況がわからないようで、ソフィアが取り乱したようにまた叫ぶ。
「未来の王妃にしてくれるっていったのよ!」
フォルク大公は、この醜い野心を利用したのだろう。父たちならばだますのはたやすかっただろう。
私は立ち上がって周りを捜すソフィアに向かって歩いていく。
「ソフィア、もうここにはいないわ」
私が静かに言えば、彼女たちは私をキット睨みつけた。
「さっきからなんなの? たかが町娘の風情で子供を作って騙したくせに!」
「そうよ、身分を考えなさいよ! 少しだけ美しいからって」
義母も加勢して私に次々と暴言を吐く。それでも美しいと義母の言葉がおかしい。
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