第一章

2/39
前へ
/229ページ
次へ
国民のほとんどが少しの魔法を使えるが、王族の皆様の魔力はけた違いで、その魔法を持ってこの国は守られ、豊かで秩序ある国だ。そして国の中はいくつかの領地に分かれており、豊かな山々、大河、海、守るべき場所に領主が配置されている。 私が今住むレントオールも、本来は緑豊かな森があり、素晴らしい土壌に恵まれていた場所だ。 しかし、この数年理由はわからないが少しずつ、森の緑が失われ、空気が悪くなり、水も汚染され作物が育たなくなった。 だからこそ、私はこの地に遠ざけられたのだけど。少しだけ自嘲気味な笑みが浮かぶ。 本来ならば王都に屋敷を構える伯爵令嬢だ。しかし、私の母との愛のない結婚をした父は、私が一五歳の時母は他界をした。その後ずっと関係のあった今の義母を娶った。知らない間にいた、異母妹と異母弟が家に来てからは私はいないのも同然だった。
/229ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1680人が本棚に入れています
本棚に追加