CLOSER  事件No.2 「花嫁哀歌」

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「言いたいことはわかる。私もどこから私のアドレスを入手したのかが疑問だが、調べたところ小野寺元刑事は実直な仕事ぶりで評価も良い、妙な裏取引の匂いもしない。今のところはな。この点については私の方で調べるが、耳の件だ」 「耳……片耳だけが見つかった、ってことですよね。てことはやっぱりどっかに死体があるってことっすよね」  赤城が眉を寄せた。隣に立つ紬は顔色ひとつ変えないが。 「ま、現場に出なきゃ仏さんには遭遇もしない。今回は内勤にしとくんだな」 「亜豆さんに決められるのなんか嫌なんですけど、そうすね、だって時間が経つとほら、色々……ねぇ……オレほら元々システム系の人材だし」  嫌そうに首を横にふる赤城に、大袈裟にため息を吐き出してから亜豆は紫音と共に小野寺元刑事に会うことになった。    02  小野寺元刑事とのアポは意外にもあっさりと取れた。おそらく携帯を片手に樫家からの連絡を待っていたようだ。亜豆と紫音は小野寺に会いに出ていき、樫家はどこから連絡先が漏れたのかを調べに部屋を移動していった後のオフィスには、することも特にない赤城と紬が残った。
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