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相変わらず、真っ赤な髪だ。見たくなくても視界に入る原色に、そこまでするには一回ブリーチしてるんだろうな、傷むだろうになどと余計なことを考えた赤城を窓から外を見ていた紬が振り返った。
「ここの組織ってどうなってる」
「はぃ?」
今更な質問がやってきて、赤城は妙な声をあげた。
「一応ここが警察の一部なのはわかってる。だけど依頼? 事件? 場所からして妙だし、縦割り組織らしくない。ここは日本だろ?」
紬の質問に、赤城はなんでそんな基本的なこと、と言おうとして改めた。
「……あのさ、もしかしてなんだけど。なんにも聞いてなかったりする?」
「警察の仕事だ、というのは知ってる。法に違反した人間の身柄を捕まえること、そのために証拠を見つけること。わたしの仕事は主に後者」
間違いではない。
「えー……っと、えーっと……課長からはなんて?」
「さっき言った以上のことはオイオイわかると言われた。オイオイってなんなのかわからないけど」
絶句である。
つまり、樫家は基本中の基本設定しか教えずに、あとは同僚たちに丸投げしたというわけらしい。
「……で、オレがそのポジションなわけね」
「なんの話だ」
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