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「ま、うん。そう言えると思う。だからわかりやすい場所にはいられないし、存在も公にはできない。うちが動くべきと判断された事件は、課長から知らされる。俺たちは山奥の古い館にいて、課長の指示があれば即座に動く。館の裏にはヘリポート、各都道府県警と一緒に動くときは警察庁で通してる。少数精鋭の5人、課長の樫家沙保里は東大法学部出のガチエリート、美人だしキレ者で容赦ない。時宗のおっさんは時宗紫音てんだけど経済専門で、数字のプロ。亜豆さんは亜豆海、警視庁にいた人でここの中で唯一刑事らしい刑事だけど、人たらしなんだよね意外に。んで、おれが赤城東弥。サイバー担当でここに来る前はサイバー犯罪対策局にい……」
「ありがとう」
強制終了された。
「あ、は、いや、全然」
やっぱり仲良くなれそうにない。
03
自宅まで来てくれ、と言われたため移動には時間がかかった。熊本県某所に住む小野寺は知らない相手を呼びつけたが、元刑事にしては不用心すぎる気がした。
よほど樫家を信頼しているわけでもあるまい。現に連絡を受けた樫家自身が、どこからメールアドレスが流出したかを調べている。
「……定年まで働いて?」
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