1/1
14人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ

現在、私は専業主婦。 家族は、公務員の主人と4人の男児とインコ。 関東地方の集合住宅で暮らしている。 これだけ見ると、どこにでもありふれた、ちょっと子どもの多い家族といった感じである。 けれど、実際はと言えば幸せな家庭とは程遠く、苦難の連続の日々である。 なぜか?? それは子どもたち全員、発達障害の診断、または疑いがかかっているから。 子どもを産んだ当時はこんな事態になるとは思いもしなかった。 普通に産んで、普通に育てて、気づいたらおばあちゃんになってた。 そんな楽観的な適当な人生プランの私にとって、この由々しき事態はかなりの衝撃が走った。 診断される前は、確かに育てにくさはあったものの、初めての育児のため (世のお母さんはみんなこの苦行を乗り越えているんだ…。) と、自分に起きているこの状況は当たり前のことと思い込んでいた。 言われてみれば、ずっと抱っこしていないと眠らない子だった。 いつまでたっても首が座らなかった。 他の子たちと一緒に過ごせなかった。 ずっと駆け回っていた。 他のお母さんを見ていると、なぜ談笑をしている余裕があるのか疑問にさえ思った。 しかし、無情にもその答えが医師の診断によって、すべての点が一つの線で結ばれ、納得せざるを得なくなった。 発達障害を持って生まれてきてしまった子に申し訳なさが溢れ出し、自分を責める日もあった。 発達障害があるために、断られた市内すべての幼稚園。 もぅ絶望しかなかった。 人生で一番絶望した日だと覚えている。 自分を呪い、社会を呪い、ひたすら泣き続けながら過ごした。 私は30代で、人生には努力ではどうすることもできないことがある、をようやく知ることとなる。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!