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東洲斎写楽✨😜✨✨💕
その夜、ボクは夏休みの宿題の自由研究のため写楽の資料を集めていた。
図書館やブッ○オフで集めた本などだ。
なぜマニアたちが写楽の事を躍起になって暴きたいのか。
それだけ彼の絵に魅力があるのは勿論なのだが、それ以上に正体が謎なのだ。
一応、有力なのが阿波の能役者、斎藤十郎兵衛と言うことになっている。
だが肝心の版元、蔦屋重三郎が写楽について正体を明かさなかったため未だに多くの謎を残したままだ。
ボクがパソコンを開いていると突然、リモート画面に切り替わった。
「ええェ……?」なんで急に。
ボクは驚いているとリモート画面に青い髪の毛の美少年が映った。
『やァ、写楽』
いきなり見たこともない美少年がボクに馴れなれしく話しかけてきた。
「だ、誰……。キミは?」思わずドキッとして緊張してしまった。
美少女かと思うほど綺麗な顔をしている。
『ボクか。ボクはナポレオンだ。龍崎ナポレオン。よろしくな。写楽!』
「ええェ! まじかよ。ナポレオン?」
ボクも写楽と言う珍名だがナポレオンなんて、そうそうあり得ないキラキラ名前だ。
『ああァ、皇帝と書いて『ナポレオン』って読むんだ。
でもちょっと恥ずかしいからボクのことは『レオン』ッて呼んでくれよ』
「ええェ……? レオン」
『そうだ。写楽は今、浮世絵師の東洲斎写楽の正体について調べていたね』
「ああァ……」なんでこの美少年はそんな事を知っているんだろう。
『ボクも東洲斎写楽の正体には興味があるんだよ』
「ふぅン……、珍しいですねェ」
たぶんこの美少年もボクと同じ年頃だろう。
東洲斎写楽や浮世絵に興味のあるクラスメイトなんて皆無と言って良い。
『この世のすべての謎はこのボク。
ナポレオンに解かれたがっているんだ』
青い髪の毛の美少年は自信満々に宣言した。
「ううゥ……」なんだそれは。
そうこの時が、ボクと不思議な美少年ナポレオンの初めての出逢いだった。
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