Phase 00 爆弾魔

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 「なるほど。君の推理は斬新で大胆だ。是非とも兵庫県警に欲しい人材だよ。」  「守時刑事、私の本業は小説家ですよ?『血染めのシャツ』以来全くもって売れていないけど。」  「いや、君の作品はもしかしたら一般人には難しいんじゃないのかな。僕は『盲腸の馬鹿』も『今日の夢』も面白いと思っているけど。」  「それって所謂(いわゆる)お世辞ですよね?」  「いや、僕は純粋に面白いと思っただけだ。それは兎も角、また何か事件が発生したらそちらのお世話になる可能性が高い。これからもよろしく頼むよ。」  「分かっています。そのうち兵庫県警のブレーンとして配属されちゃったりして。」  「今はまだその時ではない。」  「ですよねぇ。兎に角、今回もありがとうございました!」  この爆弾魔を題材にして、私は小説を書き上げようと思った。  ――タイトルは『パンドラの(はこ)』だ。
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