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「俺だって足らない事はあるし、
安心できる生活したいよ。
裕子さんは、俺の人生…
――― 保障してくれんの?」
「私が、保障を…?」
「ずっと俺のそばに居るって誓える?
仕事も家も、俺のために手放せる?」
あっ・・・
――――― 怖い。
一瞬、そう感じてしまった。
彼を手放したくなかったら、
私の大事な物をふるい落とさなきゃ。
あれもこれも掴んでいられない。
でも、身ひとつで私… やってける?
それこそ彼の重荷にしかならないんじゃない?
私の躊躇を、彼は見逃さなかった。
「はぁっ…」
「(ハッ)!」
彼は小さなため息をつき、肩を落とす。
ガッカリさせた!
私が答えを出せなかったから。
永井君はこの恋の答えを、
はるばる届けに来てくれたのに…
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