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無扇坊の迫力に、マサルは断りきれず、
「なんか温泉までとは、申し訳ないです」と答えた。
それじゃ早速、と無扇坊はマサルの手を取って立ち上がらせると、手を握ったまま、裏口から本堂を出た。
「無扇さまと歩いてると、自分が子どもみたいに思えてきます」
「そうやな、わしゃ少しばかりでかいからな。でもね、仏の道は楽じゃいられないのよ」
寺の後方には広葉樹の森が広がっており、無扇坊はその奥にマサルを連れていった。
するとほんの一、二分で、マサルが「あ、温泉のにおいがする」と思う間もなく、岩肌を削って造られた湯船が現れた。
「これは手造りで?」とマサル。
「そうですよ。さあどうぞ」
無扇坊はそう言うと、マサルの手を離し、おもむろに作務衣を脱ぎ捨てた。
「さ、あんたもどうぞ」
無扇坊は褌一丁でマサルに近づくと、シャツのボタンをはずし始めた。
「あ、結構です。自分でやりますから」
「いやいや、わしゃぁのう、こいつが・・・」そう言うと、無扇坊は舌舐めずりをして、涎を呑み込んだ。
「はい?こいつが?」
「こいつが楽しみなんですわ!」
と、無扇坊はマサルのシャツを脱がせ、速業でズボンとその下のパンツまで一気に脱がせた。
あっという間に、マサルは靴下だけの恥ずかしい姿にされて、彼は思わず両手で前を隠した。
「さ、靴下は自分で脱いで、温泉に浸かりなさい。気持ちいいよ~」
と、無扇坊が背を向けて、向こうに歩いていった隙を狙って、マサルはそそくさと靴下を脱ぎ捨てて、温泉に飛び込んだ。
湯けむりがさほどたってないから、熱くはないだろうと思っていたとおり、温度は低めだ。
「はあ、ぬるめですけど、気持ちいいですわ~」とマサルは思わず声に出した。
「そりゃよかった。ではわしも」
と、褌を脱ぎ捨てた無扇坊が湯に足を入れてきた。
ムキムキマッチョな胸板と腹回り、そして男のしるしもまたムキムキマッチョで、ギンギンに頭を天に向けていた。二メートルの大男が小さく見えるほどのそのサイズ!マサルは思わず尻を揺らせて後退りだ。
「ふふーん。水野くんの紹介なら、わしのことは知っとるよね。わしゃ少々くたびれた男が大の好物でな」
「や、やめてください。僕はそんな!」
「そんな?」
「そんなでっかいもの、入りませんて!」
「あら。それ以外ならOKってこと?」
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