第11話 兄弟会議

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父”小倉”が退院してから、数日。 父は療養のため、食事も全て部屋のベッドで済ませ、地上界から大量に送られてきた“魔力”に関する古い本や、論文を読む日々を送っていた。 今のところ、体調面に問題はなさそうで、安心した。 部屋には、大量の書籍があるため、毎日の掃除が欠かせない。オレと妹の”シオリ”は毎日、顔を出して、掃除をしつつ、食事を持っていった。 家事をこなすオレ達、それを手伝うもう1人の妹”ココロ”の姿を見て、父は安心、歓心した表情を見せていた。それがオレ達の毎日の”励み”になっていたが、弟達は絶対に引き受けてくれないだろうな・・・ そして、ある日。 兄弟みんなで朝食をとっている時に、弟”バクヂ”が発言した。 「なぁ、兄貴。前から気になっていたのだが・・・」 「何だ?」 オレは咄嗟に、バクヂの顔を見た。 「オレ達、兄貴と違って、兄弟で何番目なのか、はっきりしていないよな。」 「あぁ、父上が知っているかと思っていたが、結局わからなかったな・・・」 オレは腕を組み、頭を(かし)げた。父が入院している時に、彼が質問したのだが、残念ながら、その真相を知る事はできなかった。
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