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 無事に2週間は経ってヒートの予定日になった。  紘哉さんはいつもヒート1日目から4日目くらいまでは仕事はお休みを取ってくれて、ずっとオレの隣にいてくれる。  たまにどうしても外せないこともあって、その時は紘哉さんの方が渋々と言ったように仕事に行ってしまう。  けれど今回はしっかり休みを取れたらしく、紘哉さんも満足気だ。 「大丈夫?」 「うん。ちょっと暑い気がするけど…まだ平気」  そう、まだ本格的にヒートはきていない。  ヒートの日がズレるとかそんな事ないよな?ズレちゃったら紘哉さんに迷惑をかけてしまうから嫌だ。  まだ昼過ぎだし来ていなくてもおかしくは無いけど。  抑制剤、は飲む必要ないかと判断して、オレは今日からは存分に紘哉さんに甘えてやろうと隣に座っている紘哉さんにもたれかかった。  すると紘哉さんもぽんぽんとオレの頭を撫でてくれた。紘哉さんに頭撫でられるの、落ち着くし気持ちいいから好き。  これから番になるのかな、何てドキドキしていると、心做しかヒートのあの独特な感じが襲ってきたような気がする。 「匂い濃くなってきた?」 「そうかな?」  良かったヒート来てる、迷惑かけないですんだと安心する。  抑制剤を飲んでいないからか紘哉さんが間近にいるからか、ヒートが来たのかもと思った途端にくらくらとする。 「ベッド行く?」 「うん…」  こくりと頷くといつものように紘哉さんはオレをお姫様抱っこの体勢で...ベッドまで運んでくれる。  そんな時間も愛おしくて心地良い。  優しくベッドに寝かされて、紘哉さんもベッドに乗った。  オレに覆い被さる紘哉さんはいつも以上にかっこよくてきゅんとする。  オレ、こんな人と番になってもいいのかな? 「…本当に、番になってもいい?」  そう確認するように言ったのはオレではなくて紘哉さんだ。 「オレも紘哉さんと番になりたいよ」  ぐいっと、首元に腕を回して、ちゅっとキスをする。  自分でも大胆なことをした気がして恥ずかしいけれど、紘哉さんはもっと深くキスをしてくれた。 「…名前、紘哉って呼んで」 「紘哉…」  さんが無いと違和感があるけれど、でも愛おしいその名前はすぐに呼び慣れそうだ。 「優しくする」 「優しくなくてもいいよ?」  笑いながら言うと、紘哉さんははあ、と溜息を吐く。 「…あんまり煽らないで」  煽ってるつもりは無いんだけどなあ、そう思っているとまた紘哉さんはちゅっとキスをしてくれた。
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