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彼女の笑顔を見た瞬間、彼はこれまで生きてきた中で最高の幸せを感じた。
「ほんとうにすいません、毎日見つめてしまって。できる限り控え目に、気づかれないように注意していたのですが。」
「全然問題ありません。女の子には生まれた時から、絶対見られたくない男の子といくら見られても気にならない男の子がいることを知っていますか。不思議なことですが。」
「そうすると、僕は後者ということですか。」
「ええ。」
その時、駅のアナウンスがあった。
「まもなく、駅ホームに列車が到着します。御注意ください。その列車は折り返し、東鹿島行き下り電車になります。」
彼女が言った。
「いっしょに帰りませんか。」
「はい。もちろん。よろこんで。」
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