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「楓……目を閉じて?」
「う、うん……」
いよいよファーストキスをするのかと思うと、ドキドキが激しくなっていく。
心臓の音が大きくなっていくから、私はますます緊張してしまう。
「楓……大好きだよ」
「うん……私も、つーくんのことが好きだよ」
生まれて初めての彼氏と、生まれて初めてのファーストキス。
これが青春なのか、なんて……色々と考えてしまう。
だんだんとつーくんの顔が近づいてくるのが分かる。
つーくんの吐息が耳にかかって、やたらとドキドキする。
ファーストキスって……こんなに緊張して、こんなにもドキドキするんだ。
「……っ」
ダメだ……。ドキドキして心臓の音がうるさくて、顔が赤くなってしまう。
静まれ、私の心臓の音! と言い聞かせてみるけど、それは無理そうだ……。
「……ん」
そしてそのドキドキの最中(さなか)、私は大好きな人とのファーストキスをした。
「楓、顔赤いよ……」
と言いつつも。
「っ……つーくんだって、顔赤いもん……」
これが私の、ドキドキの理由だ。
そしてこれが、私とつーくんの青春だ。
〜ドキドキの理由【ファーストキス編】〜
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