1.コンビニにて

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先週ようやく結ばれ、その翌日も一日ホテルで一緒に過ごした。 幸せな時間だったけれど、惜しむらくは『就活スーツ』と揶揄された完全仕事仕様のスーツを着てた事。 メイクも髪型も地味の一言。 まさかそういう展開になるとは思ってもいなかったから、下着だって通常通りだった。 最初からそうなると分かっていたなら、予め着替えを用意して行くとか、もう少しどうにかやりようもあった。 今日は正式に付き合い始めてからの、初デートの日。 リベンジの意味も込め、気合いが入っているのは当然だった。 一昨日昨日と仕事帰り、美容院とネイルサロンに赴いた。 ワントーン明るめにした髪の色はともかく、ついでに切ってもらった数ミリ程度の前髪の長さ。 仕事の都合でそう派手には出来ない為、記憶してなければ分からないくらいの微妙なネイルの違い。 待ち合わせてまだ数分やそこらなのに、さり気ない変化を見逃さない観察力は流石だった。 女慣れしてる証拠とも言えなくはないが、今それを面白く思わないのは得策ではない。 ここは素直に『あなたの為に一所懸命お洒落してきた事』を、ひとつも余さず気付いてくれた事を喜ぶところだった。 自信はないが、かなりの勇気を出して、露出の高い服を選んでみた。 それを早速指摘され羞恥は嵩むばかりだが、熱くなった頬に触れてきた指に、景織子はおずおずと面を上げた。
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