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アパート前まで迎えに行くと言ってくれていたのだが、酔い潰れたところを助けられた思い出の?コンビニエンスストアまでは、自宅から徒歩10分ほど。
歩くのに苦な距離でもなく、初デートの待ち合わせ場所に指定した。
時間には余裕を持って着いたのだが、自分よりも先に彼の車は駐車場に到着していた。
朝の挨拶もそこそこに、店の前にたむろする高校生らしき男子三人組を無言で示された。
地べたに座り、大声で談笑し、コンビニエンスストアで買ったであろうスナック類を食べ散らかす様は、かなり見苦しくはあった。
だけど、それだけだ。
あーあとは思うものの、犯罪を犯しているわけでもないし、注意して逆上されでもしたら怖い。
いかに年下とは言え、体格は自分よりも遥かにいい男が複数だ。
女なら尚更躊躇ってしまう。
よほど騒がしかったら何れ店長なりが来るだろうと考えながら、これからのドライブの間に必要な飲み物でも買おうと店に近付いたところで事件は起こる。
男子学生のひとりが、上着のポケットから徐に煙草の箱を取り出した。
凝視していれば、残りのふたりにも配り出しー恐々隣りを窺えば、大きな溜め息を吐く彼がそこにはいた。
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