I

2/4
前へ
/28ページ
次へ
目が覚めると、私は学校にいた。 学校の、自分の席。 私の学校は中高大一貫で、なんと七階建てなのである。 運悪く今年の私のクラス…4年F組は一番上の奥の教室だった。 エレベーターは生徒会のカードキーがないと生徒は乗れない仕組みになっているので階段は地獄である 私はいつもと変わらない教室に違和感を感じる 「…いつもなら、ここからグラウンドが見えるのに。 なんで真っ暗なんだろう。」 窓の外はまるで塗りつぶされたかのように黒く、 今が何時なのもわからなかった。 「…夜、なのかな。でも私忘れ物なんてしてないのに…。」 気味が悪い、と教室のドアを開けて廊下に出る。 外が暗い以外は普段と変わらない。 「…はやく、家に帰ろう。確かなにか“やらなきゃいけない事”があったはずだから…。…急ごう」 階段を降りようと、廊下の角を曲がる。 すると、何か人影のようなものが見えた。 私は別に悪いことをしているわけでもないのに咄嗟に空いていた教室に入り隠れてしまった。 先生か何かかな、そう思ってそっと人影らしきものに目を凝らす。 視力がそれほどまで高いとはいえないが、はっきりとわかる。 ______アレは。 遠くから見るため、詳しいことはわからないが 何やら目玉のようなモノがふよふよ浮いていることがわかる。 「なに…アレ……」 「アレは、加害者(ブーリー)。君の敵だよ」 背後から声がして飛び退く 「…そんなに驚かなくても。ワタシは君に危害は与えないよ」 私に話しかけてきたのは、手と足がもげた可愛らしいお人形だった。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加